はじめに:なぜTOEIC600点が重要なのか
「昇進試験にTOEIC600点が必要になった」「就職活動でアピールできるスコアが欲しい」など、TOEIC600点を目指す理由は人それぞれです。しかし、共通して言えることは、TOEIC600点が人生にとって大きな意味を持つということです。
TOEIC600点は、2020年度の公開テスト受験者全体の平均スコア620点に近く、履歴書に書けるレベルとして評価されています。また、企業が社員に求めるTOEICスコアは535〜690点となっており、多くの企業にとって「600点=英語でビジネス可能」として高く評価されるレベルです。
しかし、闇雲に勉強してもなかなかスコアは上がりません。効率的で戦略的な勉強法が必要です。本記事では、初心者でも確実にTOEIC600点を達成できる具体的な勉強法を、段階的に詳しく解説していきます。
TOEIC600点のレベルと難易度を正確に把握しよう
600点は英検2級レベル、高校卒業以上の英語力が必要
TOEIC600点は、英検で表すと2級〜準1級のレベルで、最低でも高校卒業以上の英語力が必要です。
具体的なレベル感として、「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベルで、通常会話であれば要点が分かり、応答できるレベルとされています。
必要な正答率と目標問題数
TOEIC600点を取得するためには、65%の正答率を目指す必要があります。具体的な目標スコアは以下のとおりです:
– リスニング目標:495点満点中325点以上(66%の正解率)
– リーディング目標:495点満点中275点以上(56%の正解率)
リスニングで58〜59問、リーディングで66〜67問の正答数を目指すと600点を取得できる計算になります。
必要な語彙力と勉強時間の目安
TOEIC600点取得に必要な語彙力は、4,000〜4,500語程度で、英検準2級と2級の間程度のレベルです。
勉強時間については、100点上げるために必要な勉強時間は200〜300時間とされており、現時点でTOEIC400点程度の英語力がある場合は、600点を取得するには450時間程度の勉強が必要です。
【ステップ1】基礎力強化:単語と文法の徹底マスター
TOEICに出る基本単語を効率的に覚える
TOEIC600点突破の第一歩は、基礎単語の習得です。最初に取りかかりたいのが、英語の基礎となる単語を覚えることで、TOEICのスコアアップを目指すなら、単語力は必須です。
効果的な単語学習のポイント:
1. TOEIC頻出単語に特化する
– TOEIC頻出単語から覚えることが、最も効率的にスコアアップする方法です
– 一般的な単語帳ではなく、TOEIC専用の単語帳を使用
2. 発音と意味を結びつけて覚える
– 発音と意味を結びつけながら覚え、TOEICの試験は選択式のため、スペルを正確に覚える必要はない
– 音声付きの単語帳やアプリを活用
3. スキマ時間を活用した反復学習
– 通勤や通学時間、自宅でのスキマ時間で繰り返し覚える
– 単語カードやアプリで効率的に学習
中学レベルの文法を完璧にマスター
TOEICの点数を上げるには、まずは単語で、次に中学レベルの文法をマスターすることが重要です。
文法学習で重視すべき点:
1. 基礎文法の見直し
– 文法については中学生までの基礎文法の見直しをおすすめし、完璧にマスターすると応用問題を解くことに繋がる
2. 読解力向上への相乗効果
– 「単語」と「文法」の基礎的な知識の不足を補うことで、読解力が身に付き、長文もスムーズに読めるようになり、空所補充問題の正解率も上がる
目標スコア別の学習アプローチ
現在のスコア別に、以下のような学習重点を置くことをおすすめします:
– 400点→600点の場合:中学校で学ぶ単語や文法から復習し、英語に触れる機会を増やす必要がある
– 500点→600点の場合:高校で学ぶ内容から復習し、TOEICによく出題される単語を確認することで、リーディングとリスニングをともにスコアアップできる
【ステップ2】戦略的なリスニング対策で得点源を確保
なぜリスニングから始めるべきなのか
初めて受験される方や、英語が苦手な方は、リスニングを中心に勉強するのがスコアアップの近道です。その理由は以下のとおりです:
1. 日本人の学習経験の偏り:高校までの学校教育における英語の授業や受験対策は、リーディング対策中心で、リスニングの勉強時間が圧倒的に不足している
2. 得点しやすい傾向:TOEICは合計点で換算されますが、実はリスニングの方が点数が高い傾向にあり、リスニングに力を入れることで合計スコアは早く上げる傾向にある
公式問題集を使った効果的な音読練習
600点目標なら、リスニング用に使う教材はTOEICの公式問題集1冊でほぼ十分で、公式問題集をスラスラ音読できれば600点レベルと言えます。
具体的な音読練習方法:
1. 同時読み練習
– 公式問題集のPart3・4の英文を、テキストを見ながら、音声に合わせて同時読みできるようになれば、600点レベル
2. 発音とリズムの模倣
– できるだけ音声の発音やリズムを真似て、自己流の音読では学習効果が薄くなる
3. 本番同様の環境
– 公式問題集のCDに収録されている音声は実際の公開テストのスピーカーと同じ人たちなので、本番対策として最適
パート別リスニング対策のコツ
Part 1(写真描写問題)の攻略法:
問題が流れる前に、「この写真はどんな場面か」という写真の内容を把握することがポイントです。
Part 2-4の共通対策:
– 通勤時間にリスニングの学習をする際は、ただ音声を聞き流すのではなく英文を見ながら行うと効果的
– 毎日一定時間、英語の音声に触れる習慣を作る
【ステップ3】リーディング対策で確実な得点アップ
時間配分の重要性
TOEIC®はリスニング45分、リーディング75分の計120分のテストで、600点目標の場合はリーディングが全て解けずに問題が余ってしまうのは問題ないですが、確実に解ける問題を判断し、その問題から優先して解くことが重要です。
長文読解力の向上
長文読解が苦手な人は、1つの文章に絞り、繰り返し勉強すると読解力の向上につながり、TOEIC600点レベルの、さまざまなジャンルの英文を多読することをおすすめします。
効果的な読解練習方法:
1. 精読と速読のバランス
– まず正確に内容を理解する精読から始める
– 慣れてきたら時間を意識した速読練習を行う
2. 問題パターンの把握
– 全受験者の65%程度の正答率を目指し、35%の問題は間違っても構わないという心構えで、確実に取れる問題に集中
文法問題(Part 5・6)の対策
文法問題は短時間で確実に得点できる重要なパートです。パート5・パート6の文法問題でスコアを上げるテクニックとして、基本的な文法ルールの理解と問題パターンの習得が必要です。
効率的な学習時間の確保と習慣化
スキマ時間の活用方法
忙しい社会人や学生でも効率的に学習時間を確保する方法があります:
朝の時間活用:
寝起きである朝は体力が回復した状態で集中しやすく、勉強の効果が高くなり、まとまった時間を確保しやすいため、苦手な部分をしっかりと克服できる
スキマ時間の徹底活用:
バスや電車での通勤時間にリスニング、待ち合わせのわずかな時間に単語、昼休みに文法を確認するなど、アプリを活用すればどこでも勉強できる
継続のための学習計画
TOEICの学習とは、筋肉をつけながら技術力を磨くようなもので、1日だけ筋トレをしたからといって、明日にはムキムキになることはないため、コツコツとした継続学習が重要です。
効果的な学習計画のポイント:
1. 時間を「作る」のではなく「埋める」
– 「時間ができたら勉強する」という意識では、時間ができることはなく、「時間を埋める」が効果的
2. 現実的な目標設定
– 1日2時間勉強できるとしたら、400時間勉強するには200日かかり、6〜7ヶ月毎日勉強すれば、600点を達成できる可能性が高い
おすすめ参考書と学習ツール
必携の単語帳
『TOEIC L&R 出る単特急 金のフレーズ』
TOEICを受験し続け、満点を何度も取得している著者が、過去問を徹底的に分析して厳選した頻出単語をまとめた単語帳で、実際にTOEICに出る単語が多い
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』
金のフレーズの基礎固め版で、最重要単語1000語が凝縮されており、音声もダウンロードできる
効果的な問題集
公式TOEIC® Listening & Reading 問題集
TOEIC®テストを開発しているETSが制作しているテキストで、より本番に近い問題で練習を行うことができ、最新の公式問題集を使用することが重要です。
学習アプリの活用
TOEIC対策では、スマートフォンアプリも効果的です。TOEIC®対策アプリを活用することで、自宅だけでなく出先でも勉強でき、通勤・通学途中の移動時間をはじめ、日々のスキマ時間をうまく活用できる
効率的に英語力をアップしたいなら、オンライン英会話サービスの活用もおすすめです。特にmytutor(マイチューター)は、TOEIC対策に特化したオンライン英会話スクールとして、専門講師による担任制マンツーマン指導で、本格的な試験対策を格安で受講可能です。
実践的な学習スケジュール例
3ヶ月集中プラン(1日3-4時間)
第1ヶ月:基礎固め期間
– 単語学習:1時間(朝30分・夜30分)
– 文法学習:1時間
– リスニング:1-2時間(音読中心)
第2ヶ月:実践練習期間
– 単語復習:30分
– パート別対策:2-2.5時間
– 模試演習:週1回
第3ヶ月:仕上げ期間
– 弱点克服:1-2時間
– 模試演習:週2回
– 時間配分練習
6ヶ月安定プラン(1日2時間)
より余裕を持った学習スケジュールで、正しいやり方で勉強していれば、600点達成までは2時間の学習で1点UPする人が多く、現在500点の人であれば、200時間の学習で600点に到達する可能性が高まるという目安に基づいたプランです。
実際の成功体験談とその分析
短期集中で成功した事例
1ヶ月の準備期間でも、適切な練習をすればTOEICのスコアは上がり、苦手分野を集中的に改善することで、確実なスコアアップが望めるという実例があります。
成功のポイントは:
1. 現在のレベルを正確に把握
2. 弱点分野に特化した対策
3. 毎日の継続学習
学習方法別の効果
音読を中心とした学習
多くの成功者が共通して実践しているのが、公式問題集を使った音読練習です。これにより、リスニング力とリーディング力を同時に向上させることができます。
単語学習の重要性
語彙の増強はTOEICのすべてのパートでスコアアップにつながり、パート5と6では単語の知識があれば数十秒で解けるような問題が多く出題されるため、単語学習は最優先で取り組むべき分野です。
よくある失敗パターンとその回避方法
教材選びの間違い
現在のスコアから100点~200点上の目標の教材を使うことで、理解しながらしっかりと練習をすることができ、TOEIC問題に対する回答能力を高めていくことができる
回避方法:
– 現在のレベルに合った教材を選ぶ
– 一つの教材を徹底的にやり込む
– 最新の公式問題集を中心とした学習
学習方法の非効率性
よくある失敗:
– 単語だけ、文法だけの偏った学習
– 聞き流すだけのリスニング学習
– 時間配分を無視した学習
改善策:
– バランス良い総合学習
– 能動的な学習姿勢
– 本番を意識した時間管理
600点達成後のステップアップ戦略
TOEIC600点は英語学習の一つの通過点です。スコアが上がるにつれて、同じ時間勉強しても、スコアの伸びは次第に緩やかになり、「600→700」「700→800」「800→900」と、同じ100点UPでも、達成するのに必要な時間は増える
次のステップに向けた準備:
1. より高度な語彙の習得
2. 専門分野の英語学習
3. スピーキング・ライティングスキルの強化
継続的な英語力向上のためには、オンライン英会話の活用が効果的です。産経オンライン英会話Plusでは、TOEIC対策や産経新聞英文ニュースでのディスカッションも充実しており、実践的な英語力向上をサポートしています。
まとめ:確実に600点を達成するための行動計画
TOEIC600点達成は決して不可能ではありません。重要なのは、正しい方法で継続的に学習することです。
今すぐ始められる行動:
1. 現在のレベルチェック
– まずは模試問題を解いて自身の実力や苦手なパートをまず知ることが大切
2. 学習計画の立案
– 目標達成までの期間と必要学習時間を逆算
– 現実的で継続可能な学習スケジュールの作成
3. 教材の準備
– TOEIC専用単語帳(金フレまたは銀フレ)
– 最新の公式問題集
– 基礎文法書
4. 学習習慣の確立
– 毎日決まった時間の学習習慣
– スキマ時間の有効活用
– 定期的な進捗確認
TOEIC600点は基礎力があれば取れるスコアですが、一方で「なかなか600点を越えられない」と壁を感じる人もいるのも事実です。しかし、この記事で紹介した方法を実践すれば、確実に目標達成に近づくことができます。
まずは第一歩として、現在の英語力をチェックし、自分に最適な学習プランを立てることから始めましょう。TOEIC600点達成により、あなたの英語力は社会的に認められるレベルに到達し、キャリアアップや新しい可能性への扉が開かれることでしょう。
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今こそ行動を起こし、TOEIC600点という目標を確実に達成しましょう!
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